「宮島 司緒里さんは子育ての傍ら、鍛金という技法を用い生活品物をつくっている方です。
ご自宅に工房を構えており、以前から取材の申し入れを行っていましたが、今回、念願かない!取材をさせていただくことができました。
自己紹介
主に国内外のギャラリーでの個展、グループ展、器屋さんへの卸し売、時々百貨店、等で販売。
このあたりでは、岐阜県中津川市阿木という地域にある「cafe500」というカフェにて販売しております。
コーヒーメジャースプーンやバターナイフや銅鍋などのキッチン用品、ランプシェードやフック、トレイ、掛け時計などのインテリア、近年は真鍮でつくるモビールなどの大きなものもつくっています。
どんなお仕事なの?いろいろ聞いてみした!
金属をたたいてつくる人とはいったいどんなお仕事なのでしょうか?
そして鍛金とはいったいどんな技法?
謎でいっぱいの宮島さんのお仕事について少し踏み込んで聞いてみました(´艸`*)
現在のお仕事を始められたきっかけは?
美大の工芸科で鍛金という金属工芸を学んで、地方の美大に4年勤めました。大学の同期は、デザイナー、イラストレーター、ジュエリーデザイナー、造形家、陶芸家、染織家、など様々でしたが、私は鍛金が好きなので、鍛金で生活してゆくために、何ができるか、どんな風に生活してゆきたいか模索していました。
2003年にフリーになってから長野県に転居して、まつもとクラフトフェアという野外イベントに8年間出展し、後半はスタッフとなったことで、多くの出会いが契機となり、仕事を続ける中で今のスタイルになってゆきました。
* 編集部から一言… *
好きになった鍛金を仕事にしようと取り組んできたという、一貫した姿勢が素晴らしいなぁと思いました。
好きこそものの上手なれということなのでしょうか(*´ω`)
作品(商品)の特徴は?
金属を金づちで叩いて成型する「鍛金」という技法を基本にして、塗装やメッキは極力使わず、金属の素材感を生かせるように心がけています。素材としては、主に、銅、真鍮、洋白、銀などを使っています。
* 鍛金を体験させていただきました *
鍛金という技法は金属を焼いて冷まし柔らかくしてから金づちでたたくことで、強くなるという金属の特性を利用した方法なのだとか…
「へ~…」といまいちよくわかってない状態に、宮島さんから「実際にやってみる?」と提案がっ!
早速、体験させていただきました(´艸`*)
そして、今回は真鍮を使ってキーホルダーを作らせていただくことに!
はじめに、真鍮をぐるぐるっと手で曲げます。(意外にも簡単に曲がるので( ゚Д゚)ビックリ!)
そして、真鍮を鉄の板の上に置き、金槌でたたいていきます。
なるべく、平らになるようにたたいていくのですが、これが意外にも難しい…(*´ω`*)
ということで、仕上げは宮島さんにすこ~し手伝ってもらってキーホルダーの完成!
出来上がったキーホルダーを曲げてみると、あんなに簡単に形をつくることのできた真鍮が硬く、曲がりにくくなっていました!
これが、金属の特性、鍛金(´艸`*)なるほど!
と、すべて手作業で行う鍛金は、熟練した技術と感覚が必要なのですね!
そして初めての鍛金体験により完成した、手作りキーホルダーは味わい深いものになりました。
制作で一番大切に、していることは?
「感覚を研ぎ澄ますこと。」
とのこと。やはり、直観とかセンス、感覚がとても大切なのですね、かっこいい!
* 見学をさせていただきました! *
バターナイフの制作を見学させていただきました。
切り出し作業の後は、曲げたり、模様をつけたりと感覚での作業が多いことに驚きました。
そして、「感覚を研ぎ澄ますこと」を大切にする必要があるお仕事なのだと、見学をさせていただき「なるほど」と納得。
子育てや家事との両立は大変ではなかったですか?
出産前から産後3ヶ月の半年程完全に仕事をお休みして、先に決まっていた予定もキャンセルしました。そして、今年からやっと個展を再開させる予定です。
出産まではなにもかも仕事中心で、家族中心に生活を切り替えるのはとても大変でした。
娘が小さい頃は私の仕事の追い込みになると(たぶん私の目が届かなくて)娘が体調を崩してしまうこともあり、どっちつかずになってしまい落ち込むこともありました。
今でもきちんとできているとは言い難いですが、週末にも仕事をさせたもらったりして家族の理解には恵まれていると思います。
* 編集部からのコメント *
仕事をするうえで、自由が利かなくなる出産・産後とお仕事をキャンセルしなければならなかったり、子育て中は今までのように活動することができないという葛藤、自分を責めてしまうという経験も、多くの働くママたちが経験していることかもしれません。
今後も、ママとして、アーティストとしての活躍を楽しみにしています(#^.^#)
今後の目標は?
- とりあえずは、12月の福岡での5年ぶりの個展をがんばる。
- 娘に恥ずかしくない仕事をすること。
* 編集部からのコメント *
「娘に恥ずかしくない仕事をすること」という宮島さんの熱意が、作品のすばらしさに表れている気がいたします。
久しぶりの個展頑張ってください。
見学を終えてティータイム(*´ω`)
今回「金属をたたいてつくる人」宮島 司緒里さんにお話を聞くことができました。
鍛金を体験させていただいたことで、宮島さんのお仕事のことが少しわかったかなぁと思いました。
そして一通り、工房を見学した後、ティータイム(#^.^#)
手作りのかぼちゃプリンをごちそうに(´艸`*)
しかも宮島さん制作のデザートスプーンを使わせていただけることに!
味わい深いカタチのデザートスプーンは、使い心地もよく、なじむ感覚が新鮮でした。
もちろん、かぼちゃプリンもとってもおいしかったです。
そして、コーヒーをいただきながら、たくさんの作品を見せていただきました。
左:コーヒーメジャー
中:ワークショップ用ブローチ
右:トレイ各種・とりわけスプーンなど
黄色が真鍮、茶系が銅、黒が洋白と金属を使い分けることと炎に当てた時の酸化膜の色を利用した方法で変化をつけるのだそう( ゚Д゚)ナルホド…驚きです!
伊藤まさこさん著書の「ならいごとノート」にも掲載されたことがあるのだそう!
実際に、伊藤まさこさんがフライパンを作りにきたとのことです(;・∀・)すごいですね!
他、ミセスなどにも掲載されたことがあるそう(*^▽^*)
と、なんだかんだと、子供のことから仕事のことまでお話ししているとあっという間に時間が経過…。
鍛金の体験からバターナイフ作りの見学、そしてコーヒーとおいしいかぼちゃプリンまでごちそうになり、ありがとうございました(´艸`*)
読者からのコメント